日本キャリアデザイン学会は、以上のような使命から、次のような性格を持つべきである。
- 生涯学習が社会のあらゆる領域で求められる時代にあって、常に自分と環境、自分に必要なスキルと知識を問い直し、自分のキャリアを設計・再設計し続けて軌道修正しうる人々の育成を考えようとする非営利組織である。
- キャリアを狭義の職業キャリアにとどまらず、個人の一生を通じて様々な人生を選択し、それらの結果あゆむライフコースを含めて広く考えるものであり、キャリアデザインを、質の高い生き方の計画的な選択であると考える。 したがって学会は、公教育における進路指導・就職指導・カウンセリングその他、児童・生徒・学生のキャリア設計に関わる者から、官民の各種機関・組織・ 企業・団体等におけるメンバーからクライアントなどの関係者のキャリア設計に関わる者、コミュニティにおける住民・市民のライフデザインに関わる者、さら に豊かに生きるための文化・教養の場の設計に関わる者など、幅広い実務家や市民と、キャリアデザインに関わる基礎研究・応用研究を行っている人々との出会 い・交流・相互啓発の場である。
- 教育学、経営学、文化学、心理学その他、キャリアに関わって専門を持つ学際的な研究交流の場とするが、学際の名のもとに議論が拡散せぬよう自戒し、焦点を定め、徹して深い知見を示しうるキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場である。
- キャリアデザインとその支援の実務の場で得られた知見を、上記のような深い知的活動でもって検証し、理論化し、また、そのような最先端の理論を学んで、現場で実証し、生かす、理論と実践の連携の場である。
- 学問の精神にのっとった知的活動によって、キャリアデザインの技法から論説に至るまでの誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立しようとする、誠実な知的営為の場である。
- キャリアデザインに関わる様々な資格、必要な知識、技法、専門について実態に即して検証し、より高い品質の規格を設定する、標準化の努力の場である。
- さまざまな関連団体、学会、協会等との連携を行いながら、実務的ニ-ズに即して調査研究を受託し、自ら行い、実務家に有益なプログラム、技法等を開発し、あるいはまた公共政策を検討し、提言活動を行う、21世紀の日本の現実に関わり、変えようとする運動の場である。
以上に賛同する各位の学会への参加を広く呼びかけるものである。