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□ キャリアデザインマガジン 第66号 平成19年10月1日発行
日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/
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「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。
□ 目 次 □———————————————————–
1 キャリア辞典「テレワーク(2)」
2 私が読んだキャリアの1冊
山本直治『人材コンサルタントに騙されるな!』
3 キャリアイベント情報
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【学会からのおしらせ】
◆第4回研究大会・2007年度総会(10月20日(土)-21日(日)於:武蔵野大学)の
プログラムの骨子が決まりました。
参加申込受付も開始しました。学会ホームページから申込ができます。
お早めにお申し込み下さい。
http://www.cdi-j.jp/topics/070802/index.html
10月20日(土)10時受付開始
-午前の部(11時-13時)テ-マ部会1(垣根を越えたキャリア支援)
A1 学校間連携とキャリア形成
A2 プロフェッショナルのキャリア形成
A3 高校でのキャリアデザイン
-午後の部(14時ー16時)企画部会
B1 企業内キャリアの変貌と支援教育
B2 大学でのキャリアデザイン
B3 ステージ別キャリア形成
-総会 16:15-17:15
-交流懇親会 17:30-
10/21(日)
-午前の部(10時-12時)テーマ部会2(垣根を越えたキャリア支援)
C1 産学連携によるキャリアデザイン
C2 職場体験・実習の意義と方法
C3 多用な人材活用とキャリア支援
-午後の部(13時ー16時)
S 本学会・日本キャリア教育学会共同(予定)シンポジウム
「垣根を超えたキャリアデザイン-学校と企業それぞれのキャリアデザイン
支援とお互いへの期待」
・報告者・報告テーマ・司会者等は、ホームページで随時お知らせします。
・会場近辺の宿泊のご案内もホームページに掲載しております。
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1 キャリア辞典
~「キャリア」に関する用語をめぐるコラムです~
「テレワーク」(2)
国土交通省の「2005年時点のテレワーク人口推計(実態調査)」では、テレ
ワークをする人=テレワーカーを「「情報通信手段(IT)を活用して、場所
や時間にとらわれない柔軟な働き方をする人」をさします。例えば、自宅、サ
テライトオフィス、テレワークセンターなどで、又はモバイルワークにより、
通常勤務する場所以外の場所でITを活用して1週間あたり8時間以上働く人
のことをいいます。」と定義している。そして、テレワークを「雇用型」「自
営型」に区分し、それぞれ506万人、168万人と推計している。
これに対し、古くからわが国では在宅での仕事として「内職」が行われてき
た。これは家内労働の一形態で、厚生労働省の「家内労働概況調査」や「家内
労働実態調査」では、「内職的家内労働」を「主婦や高齢者等世帯主以外の家
族であって、世帯の本業とは別に家計の補助等のため家内労働に従事する者を
いう」と定義している。いささかジェンダー的に問題のある定義ではあるが、
実態をふまえればこうなるのだろうか。そして、家内労働法では家内労働の定
義として「製造加工業者などから委託を受ける」「物品の提供を受け、それを
部品・附属品又は原材料とする物品の製造加工等に従事する」「常態として他
人を使用しない」などの要件があげられている。
つまり、テレワークと内職の相違点は2つあり、ひとつはテレワークが雇用
関係を多く含むのに対し、内職は請負契約に限られる点だ。そのため、雇用型
テレワークでは雇用主から賃金を受けとるのに対し、内職は委託者から出来高
払いで工賃を受け取ることが多い。もうひとつは、内職がもっぱら「物品の製
造加工等」を行うのに対し、テレワークは「情報通信手段(IT)を活用」す
る点だろう。
「在宅ワーク」という用語もあり、これは厚生労働省が使っているようだ。
同省(当時は労働省)が平成12年に策定した「在宅ワークの適正な実施のため
のガイドライン」では、在宅ワークは「情報通信機器を活用して請負契約に基
づきサービスの提供等を行う在宅形態での就労のうち、主として他の者が代わ
って行うことが容易なものをいい、例えば文章入力、テープ起こし、データ入
力、ホームページ作成などの作業を行うものがこれに該当する場合が多い。た
だし、法人形態により行っている場合や他人を使用している場合などを除く」
と定義されている。これは国土交通省のいうところの自営型のテレワークに近
いといえそうだ。
厚生労働省の調査によれば、家内労働者は昭和40年代後半には180万人を超
えていたが、平成18年には20万人を下回るまでに減少している。いっぽう、自
営型のテレワーカーは2002年に97万人、2005人には前述のとおり168万人にま
で増加している。これもまた、産業構造の変化や技術革新のひとつのあらわれ
なのだろうか。
(編集委員 荻野勝彦)
2 私が読んだキャリアの1冊
『人材コンサルタントに騙されるな!』
山本直治著 2007.7.27 PHP新書
著者は文部科学省のキャリア官僚から人材ビジネスに転じた異色の経歴の持
ち主で、公務員を対象とした転職支援サイト「役人廃業.com」の主宰者として
も知られている。書名はいささか下世話な感があるが、実際の内容は民間職業
紹介ビジネスの基本的な知識と業界の概況、そこで働くコンサルタントの仕事
の実態、くわえて同ビジネスを利用するにあたってのアドバイス、といったも
ので、いたって堅実な解説書といった趣がある(ちなみに、本書では「職業紹
介ビジネス」という一般的な呼び方ではなく、一貫して「人材紹介ビジネス」
との用語が使われている。手数料を支払ってくれるクライアント企業の視点を
重視しているということだろうか)。実際、「キャリアデザインマガジン」の
読者であれば職業紹介ビジネスのあらましはご承知だろうが、ふだん転職など
を意識しない人の多くにとっては、職業紹介ビジネスは縁遠い存在だろう。と
なると、多くの人にとってはいざ転職が現実味のあるものとなってきたときに
「人材派遣会社に登録するのと、職業紹介会社に登録するのとなにが違うのだ
ろう?」ということになりかねない。また、一口に職業紹介業者と言っても数
は多いし、大手には大手の強みがあり、中小にもそれぞれに得意分野があるだ
ろう。求職者は原則として手数料を徴収されないとはいえ、効率的に転職活動
を進めるには職業紹介業者もうまく利用したいだろう。そのためには業界のビ
ジネスモデルはそれなりに承知しておく必要があるだろうし、さらに職業紹介
は結局は人対人のプロセスなのだから、そこで働く人の仕事の実情も知ってい
たほうがお互いになにかとやりやすいに違いない。そう考えると、この本はな
かなか役立つ本といえるかもしれない(逆に、書名から業界の裏話的な内容を
期待する向きにはおすすめできない本でもある)。
ただ、著者はまだ人材ビジネスに身を投じて2年の経験しかないということ
なので、そこは割り引いて考える必要があるかもしれない(これは著者自身も
率直に認めているところである)。業界の概要や動向などについての記述はそ
れなりにそつがないようだが、事例や経験談などは取材によるものが多いせい
か、いささか通り一遍な印象を受ける。そういう意味ではやはり解説書の域は
出ていないともいえそうだ。
なお、キャリアデザインという観点からまことに興味深いことに、この本は
人材コンサルタント自身のキャリアプランについても言及している。キャリア
を扱う仕事、しかも専門職である上、独立開業という選択肢も常にありうる職
業だから、当然ながら自分のキャリア形成にも関心が高いだろうと思うのだが、
必ずしもそうでもないらしいところが面白い。そして、積極的に経験を積み、
情報を収集し、あるいは仕事の幅を広げ、知識や人脈を蓄積していくことが大
切らしいということは、どうやらほかの多くの職業と同様なようだ。当然とい
えば当然のことなのかもしれないが。
(編集委員 荻野勝彦)
※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。
3 キャリアイベント情報
~キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します~
◆中央職業能力開初協会 若年者向けキャリア・コンサルティングセミナー
平成19年9月~平成20年2月
全国12都市(千葉市、立川市、札幌市、仙台市、富山市、福井市、京都市、
大阪市、広島市、徳島市、福岡市、鹿児島市)にて開催
http://www.adds.javada.or.jp/column_info/magazine/cctop.html
◆連合総研ワークショップ「新しい労働ルールのグランドデザイン策定に向け
て」-イニシアチヴ2008研究委員会・中間報告会-
平成19年10月5日(金)14:00~17:10
於 中央大学駿河台記念館2階・280号室(東京都千代田区)
www.rengo-soken.or.jp/houkoku/simpo/20071005initiative2008/1005workshop.html
◆日本能率協会「企業価値向上のための人材マネジメントシンポジウム-人材
戦略として取り組むダイバーシティ・マネジメント」
平成19年10月15日(月)13:30~17:00
於 THE GRAND HALL(東京都港区)
http://school.jma.or.jp/wlb/
[編集後記]
きょう、10月1日は大卒就職のいわゆる「内定解禁日」です。現実にはすで
に「内々定」が出ていて、きょうはセレモニアルな「内定式」を実施するとい
う企業も多いということですが、いずれにしてもビジネス街では来春職業キャ
リアの第一歩を踏み出す若者たちのリクルートスーツ姿が数多くみられそうで
す。入社までのあと半年、論文に取り組む人、卒業旅行に出かける人、あるい
は卒業に必要な単位を必死で揃えなければならない人、いろいろでしょうが、
社会に出てしまうとまとまった時間はなかなかとれないもの。有意義に過ごし
てほしいものだと思います。(O)
【日本キャリアデザイン学会とは】
・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。
学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
http://www.orange-plaza.com/cdi-japan/
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◆学会監修・菊地達昭編著『キャリアデザインへの挑戦』優待販売のお知らせ
・本学会の菊地達昭・常務理事編により、学会創立期のメンバーなど、有識者
58人の「私のキャリアデザイン論」(『文部科学通信』に連載)を集大成し
た図書『キャリアデザインへの挑戦』が、経営書院から10月に出版されます。
定価1890円(税込み)のところ、会員には特別に3割引で販売をします。
*武蔵野大学大会において、直接販売をいたします(1300円)。
(但し搬入の都合上、冊数に制限があります)
*直接、購入を希望される方は、1冊1323円となります。
経営書院(FAX:0120(73)3641、e-mail:sato-ken@sanro.co.jp)へ直接
申し込んで下さい。その際、宛名に経営書院『キャリアデザインへの挑
戦』係と書き、冊数、 宛名、送り先住所、送り先連絡先電話番号、会
員番号を明記してください。
なお郵送料はご負担下さい。折り返し振込用紙を同封しますので到着後
1週間以内にお振込下さい。
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日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
無断転用はお断りいたします。
編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)
日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
e-mail cdgakkai@hosei.org
〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
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