キャリアデザインマガジン 第164号

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□    キャリアデザインマガジン 第164号 2023年2月20日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.career-design.org/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □———————————————————–

1 学会からのお知らせ

2 キャリア辞典 「アンラーニング」

3 私が読んだキャリアの1冊 
         『日本の人材育成とキャリア形成-日英独の比較』
                     佐藤厚著  
                        
4 キャリアイベント情報等

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1 学会からのお知らせ

◆2022年度第2回キャリアデザインライブ!
テーマ:「ともに働き、ともに学ぶ社会に向けて
-障害者雇用の可能性と未来-」

開催日時:2023年2月20日(月)19:00~20:30
開催方法:対面およびZoomによるオンライン配信
・対面:法政大学
 申し込みいただいた方に場所の詳細をご連絡いたします。
・オンライン:Zoomによる配信

【詳細】
2022年度第2回キャリアデザインライブでは、2022年3月までソニー
ピープルソリューションズ株式会社代表取締役社長を務め、ソニーグル
ープ各社とともにDE&Iに尽力されてきた望月賢一さんと、日々障害の
ある社員の可能性を信じ、一人ひとりの成長を組織の成長へと繋げて
いこうと邁進されるソニー希望・光株式会社代表取締役社長の大庭薫
さんをゲストにお迎えして、「障害者雇用の可能性と未来」をテーマ
に語って頂きます。「多様性」を企業経営の原動力としながら、先駆
的かつ洗練された製品を社会に提供し、新しい価値観を生み出してき
た企業にとって、障害者雇用に取り組むことの意味とは何か、また、
特例子会社の先に見える障害者雇用の形にも触れて頂きながら、参加
者の皆様と共に「これからの障害者雇用」について対話を深めていけ
ればと思っています。

登壇者:ソニーグループ株式会社 望月賢一
ソニー希望・光株式会社 代表取締役 大庭薫
聞き手:阿部潤子(Connecting Point、当学会研究会企画委員会委員)
参加費:会員/無料、非会員/2000円(事前申込制)
申込詳細:https://career-design.org/conference/cdlive01/

◆第3回研究・実践力向上セミナー
テーマ:「質的研究法によるインターンシップの効果測定
-TEA分析によるキャリア発達の検討-」
開催日時:2023年2月22日(水)(入場開始:18:50~)
開催方法: Zoomによるオンライン

【詳細】
キャリア教育の現場を研究してみたいが、効果測定ができるほどの調
査対象者を確保できないため質的研究をやってみたい方は多いと思い
ます。また質的研究を試してみたが、調査分析に膨大な時間がかかる、
質的研究法の手続きが明瞭ではない、多様な質的研究法の中から最適
な研究法を選択できないといった悩みを持たれている方もいらっしゃ
るでしょう。
「経営学部生の語りからみた東南アジアでの長期海外インターンシッ
プの意味ーTEA分析によるキャリア発達の検討ー」『キャリアデザイ
ン研究』(2020年)を執筆された上西智子会員をお呼びして、キャリ
ア教育現場の質的研究をテーマに、研究法の選択と学習、学会報告、
投稿などの過程をお話しいただきます。どうぞご参加ください。

ファシリテーター:田澤実(法政大学、当学会事務局次長、当学会研究
誌編集委員会委員長、当学会研究組織委員会副委員長)
報告者:上西智子(明治大学情報コミュニケーション研究科博士後期課程、
立教大学観光学部特任准教授)
参加費:会員/無料(事前申込制)、非会員は参加できません
申込詳細:https://career-design.org/conference/seminar2022-2-2/

◆キャリア研究・政策・国際交流委員会企画
テーマ:「キャリアの本棚」
開催日時:2023年2月25日(土)15:00-16:30
開催方法:Zoomによるオンライン開催

【詳細】
キャリア研究・政策・国際交流委員会は、「キャリアのアゴラ」に続
き、新企画「キャリアの本棚」を立ち上げました。「政策」議論に続
く、「研究展望」を探る議論になります。
「研究展望」の議論も堅苦しくならずに、日本キャリアデザイン学会
らしく柔軟に真面目に行いたいと思います。具体的には、広い意味で
キャリアデザインに関わる本を紹介し合い、学会委員の皆さんとの共
有財産にしていければと考えております。キャリアの本棚には、学術
書だけではなく、小説、漫画も並ぶと面白いのではないでしょうか。
第1回目は言い出しっぺの梅崎が担当いたします。

※共催になりますので、秩父ワーケーションウィーク2023と共通の申
し込み先を設けました。
申し込み先:こくちーず
https://www.kokuchpro.com/event/769a780e572a3f98797b616544080b84/

◆関西支部 第10回研究大会のご案内
開催日時:2023 年3月4日(土)13:00~16:50(受付は12:40)
場所:近畿大学東大阪キャンパス 21号館3階313教室
*お願い 近畿大学ではマスク着用、手指消毒などの基本的感染対策を
     実施しています。ご協力の程、よろしくお願いいたします。

【詳細】
関西支部研究大会を近畿大学東大阪キャンパスにて対面開催いたしま
す!今回は同志社大学「Internship on Campus」の実践報告や、キャ
リア成熟過程モデルを提示した新たなキャリア支援、「将来に希望を
持てない青年」の主観的世界観など、興味深い発表が予定されていま
す。関西支部会員の皆さまはもちろん、他県の皆さまもどうぞご参加
ください。役員一同、心よりお待ちしております。

テーマと発表者
(1)テーマ:「Internship on Campus 実践の成果と課題の検討」
松川晴美:同志社大学 嘱託講師・浮村眞弓:同志社大学 嘱託講師
鶴見香織:同志社大学 嘱託講師・三吉勉:同志社大学 助教
浦坂純子:同志社大学 教授

(2)テーマ:「キャリア成熟過程モデルによる新たなキャリア支援の展開」
吉田尚子:追手門学院大学博士後期課程修了生(元大学職員、キャリ
アコンサルタント)

(3)テーマ:「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観
-希望の持続と変容を明らかにする質的分析手法の検討-
坂本憲治:福岡大学人文学部 准教授

参加費:会員/無料 一般(会員外)/3000 円
参加費は事前申し込みの際にお支払いください。
申込詳細:https://career-design.org/conference/nationwidekansai10/

◆第21回日本キャリアデザイン学会 中京支部研究会
テーマ:「初等中等教育機関へのキャリアコンサルタント常勤のススメ
~名古屋市の事例考察から~」

開催日時:2023年3月5日(日)14:30~17:00(受付14:00~)
開催方法:対面およびZoomによるオンライン配信
・対面:名古屋学院大学 名古屋キャンパス たいほう
・オンライン:Zoomによる配信
一般の方には参加費をお振込みいただいた後にZoomIDをお送りします。

【趣旨】
公立中学校に常勤するキャリアコンサルタントの「お仕事」について、
みなさんはどのようなイメージをもたれるでしょうか?大学生のキャ
リアデザイン科目ならイメージできるけれど・・・。中学生にどんな
働きかけをするの?そもそも毎日、学校に勤務するってどんな感じ?
??などイメージの沸かない方も少なくないでしょう。名古屋市長の
肝いりで開始した「名古屋市立中学校におけるキャリアサポート事業」
は名古屋発の全国的に先駆的な取り組みであり、働く環境は特殊な環
境です。当日は名古屋市立中学校で実際に勤務するキャリアコンサル
タントも登場して、そうした環境の紹介や、活躍するために必要なコ
ンピテンシー・能力なども論じていきます。
義務教育段階から主体的に自らのキャリアを考える働きかけは何故必
要なのか?キャリアコンサルタントの新たな専門性や職域を拡大し、
全国の子どもたちのキャリア・プランニングの応援やキャリア教育が
より一層充実するための課題などを会場の皆様と意見交換したいと思
います。
キャリア教育や学校教育に関心のある方もない方も、奮ってご参加く
ださい!

発表者:深谷潤一(中京支部役員、ICDS)
    渡邊江李賀(有松中学校キャリアナビゲーター、ICDS)
参加費:学会会員 無料、一般 3000円
参加費は対面オンラインとも事前申し込みの際にお支払いください。
*対面の場合でも当日は参加費をお受け取りすることができません。
申込詳細:https://career-design.org/conference/localchukyo021/

◆学会ウェブサイト(http://www.career-design.org/)、フェイスブック
(https://www.facebook.com/careerdesigngakkai)随時更新中です。
 ぜひご一読ください。

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2 キャリア辞典

アンラーニング

■最近耳にする「アンラーニング」
人生100年時代に向けて働く時間が長くなった昨今、働くことを取り巻く環境は
激変している。長く我が国の産業界を牽引してきた自動車産業では、ガソリン車
から新たなモビリティに向かって変化を始めている。このような環境変化におい
ては、スキルや知識を変化に適応させていく必要がある。そこで、「リスキリング」
に対する注目が一気に高まっている中、その過程で必要とされる「アンラーニング」
も注目されている。アンラーニングとは何か、実際のビジネスの現場でどの程度行
われているのか、実施に向けて、促進する要因と阻む要因などを見ていく。

■アンラーニングとは
アンラーニングの研究でも著名な松尾睦氏は、「個人が自分の知識やスキルを意
図的に棄却しながら(捨てながら)、新しい知識・スキルを取り入れていくプロセ
ス」と定義している。アンラーニングの一般的な訳は「学習棄却」だが、「学びほ
ぐし」(鶴見俊輔氏)、「知の断捨離」(高橋潔氏)など様々な表現が使われている。
全て捨ててしまうのではなく、必要な部分は残しつつ不要になった部分を入れ替える、
まさに「断捨離」とは言い得て妙である。せっかく苦労して身に着けてきた知識やス
キルを全て捨てるのは抵抗があるが、現状に合わせて入れ替えるなら、仕方がないな
と納得する方も多いのではないだろうか。

■なぜアンラーニングが必要なのか?
新たな知識・スキルを身に着けるには、単純に「ラーニング(LEARNING)」でいい
のではないかと思うところだが、敢えて「アン(UN)」が必要なのはなぜだろうか。
これにはこれまでの経験と関わってくるところである。例えば社会人経験が浅く、
これから学ぶ内容が全く新たな知識・スキルという場合にはシンプルに「ラーニング
(LEARNING)」である。しかし、中高年など社会人経験も長くなり、成功経験から
自分なりの「型」ができている場合、そこに固執しがちになり、新たな課題にも同じ
「型」だけで対応しようとしてしまうことがある。若いころは成果を上げていた人が
最近はスランプになっているという現象は皆さんの身近にもあるのではないだろうか。
将棋界のトップで、さまざまな記録を塗り替えてきた羽生善治九段の最近の躍進が
良い例である。2016年度以降、勝率が下がっていた時期に「現代将棋にきちんと対応
できていない。どんどん変化していく戦術にマッチできていない。AIの影響を強く受
けた新たな戦術をつかみ切れていない。」と自身を評していたそうだ。その後、AIの
発想や思考プロセスを理解しようと試みた(アンラーニングした)結果、昨今の活躍
となっている。

■アンラーニングの実態
 アンラーニングは実際にどの程度行われているのだろうか。パーソル総合研究所が
20~59歳の正規雇用就業者3000人に行った調査結果を見てみると、全体の約半数の人
(49.8%)が「アンラーニング経験がある」と答えている。内容は「仕事の計画」
「仕事の手続きや方法」「職務遂行のためのツール」といった表層的なものから「顧
客のニーズについての考え方や信念」といった深層的なものまでさまざまであった。
アンラーニングのきっかけは、「コロナ禍などビジネス環境の変化」が最も多く、
「会社の方針変更」や「異動」など必要にせまられてという回答が多い。また「自分
のキャリアについての振り返り」や「キャリアカウンセリング・キャリア研修」など、
キャリアを考えることも背中を押しているようだ。属性による特徴としては、男女と
も高齢になるほどアンラーニング経験が減り、40~50代女性の減少が著しい。本来は
高齢になるほど必要になると思われるが、気づくきっかけが無いまま過ごしている人
も多いことがわかる。

■アンラーニングを促進させるには
 最後にアンラーニングを促進させる要因を先の調査結果から見ていく。まず「今のや
り方では成果が出せない」といった従来の仕事のやり方に限界を感じる経験(限界認知
経験)がアンラーニングを促進することが明らかになった。「新規企画・新規提案業務」
「業務上の修羅場」「越境的業務」などの経験である。40~50代のアンラーニング経験
が減っている人にもこれらの機会を提供することで活性化に繋がりそうだ。逆にアンラ
ーニングを阻む要因としては、組織の中で変化を起こすことを面倒に感じる心理(変化
抑制意識)が判明した。「今の組織では仕事のやり方を変えることは大変だ」「自分だ
け変わってもしようがない」「上司に新しい提案をしても無駄だろう」と思い、行動に
移せない心理のことである。実際にこれらの心理を経験したことがある人は、全体の3割
前後いることもわかった。
定年、雇用延長になっても、各人の成果に応じた処遇へと人事制度を変更している企業
も増えてきている。年齢に関わらず限界認知経験からアンラーニングをし、自身の成長
を止めないことが必要であると思われる。                            
                           (編集委員 小室銘子)

                            
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3 私が読んだキャリアの一冊 

        『日本の人材育成とキャリア形成-日英独の比較』
                    佐藤厚著 中央経済社 2022.10.27

1 日本企業において「キャリア自律」、その実現に必要な「生涯教育」は普及するのか?
 デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展、高年齢者の雇用促進とそれに伴う
職業キャリアの延伸(Demography)、さらに多様な人材の活用(Diversity)といった3つ
の社会経済の動向を法政大学の武石恵美子教授は「3D」と呼んでいるが、この「3D」が、
従来の日本型雇用システムに変革を求めている。なかでも、人材育成およびそれに伴う
キャリア形成の主体を企業主導から個人主導へ移行し、「キャリア自律」を図っていく
必要がある、という声を企業や労働組合から聞くことが増えた。「キャリア自律」とは
1990年代半ばにアメリカで提唱され始めた概念であり、「めまぐるしく変化する環境の
なかで,働く個人が自身のキャリア開発に主体的・自律的に向き合い、進むべき方向を
決めること、自らのキャリア構築と継続的学習に取り組むこと」(花田・宮地・大木、
2003)とされ、堀内・岡田(2009)をはじめ、多くの研究が蓄積されてきているが、
その声が大きくなってきた背景には、この3Dが影響していることは想像に易い。

 一方で疑問が湧く。日本の教育機関(特に大学)はアカデミック教育機能に従事してい
るがゆえに、労働市場(企業)は専門性のない新卒者を一括採用し、異動と配置を企業が
主導しながら職業能力を開発する必要がある。すなわち、教育機関と労働市場が非連続、
非連携状態なのである。インターンシップも海外の大学等で実施される将来のキャリアビ
ジョンの実現に向けた職業能力開発の場とは全く異なり、職場見学的であったり、青田買
いの状況にある。そのようなキャリアを勘案した能力開発経験のない若年層が「キャリア
自律」、「個人主導型能力開発」を企業から求められても適切に実行できるのか。また、
従来の日本型雇用システムのなかで企業主導によりキャリア形成してきた個人が「キャリ
ア自律」と言われ、どこまでその目的に資する選択ができるのだろうか。
本書は、多数の国際比較研究から日本の人材育成に係る特徴を明示しながら、日本企業に
おける「キャリア自律」、その実現に不可欠な「生涯教育(リカレント教育)」の普及に
必要な要素を明らかにしてくれている。

2 本書の紹介
 全ての章について概要を紹介したいところであるが、紙幅に制約があるためポイントの
みを紹介する。
 本書の狙いは、日本の人材育成とキャリア形成の特徴を、「企業のコミュニティ性」、
「能力開発を主に行う労働市場の違い(内部労働市場(Internal Labor Market:ILM)と職
業別市場(Occupational Labor Market:OLM))」、「職業教育訓練(Vocational Education
and Training: VET)と雇用システムの関連性」という3つの視点から、日本、イギリス
(英)、ドイツ(独)の人材育成とキャリア形成の特徴を明らかにし、日本における「キャ
リア自律」や「リカレント教育」の普及・促進の解を見出すことにある(第1章)。

 第2章では、企業のコミュニティ性(本書では、勤務先を共有する労使により、長期にわ
たり職業キャリア形成を支える人材育成の苗床機能を持つ共同体、という趣旨で使われてい
る)は、それが強い企業とそうでない企業が各国に存在し、日本特有の特徴ではないことを
指摘する。そのうえで、日本は、新卒一括採用が慣行化している点に特徴があるとしている。
 そして、第4章では、大企業のホワイトカラー管理職を中心としたキャリア形成、第5章で
は職業資格を取得する「場」とそれがキャリア形成に与える影響、第6章から第8章ではVETと
労働市場の関係を3か国について比較し、英はVETに関するILM、OLMが共に弱いうえに、VETへ
の公的コミットメントも企業の初期職業教育訓練(以下、IVET)への関与も弱い「短期的適応
(リベラル)」モデル、独は労働市場によるOLMのIVET化が進みつつも、職業訓練機関(大学
などの教育機関)と労働市場が職業を媒介に制度的連続し、職業資格が就職やキャリアアップ
に有益であること、一方で日本は、職業訓練機関と労働市場が非連続的であり、スキルやキャ
リア形成は特定企業のILMに強く依存している点に特徴があることを明らかにしている。

 そして、第9章ではこれまでの各国の特徴を踏まえ、日本でキャリア自律や生涯学習(リカ
レント教育)が普及しない背景には、個々人が獲得する能力は企業目的に合致している場合
において評価されること、そして獲得した知識やスキルは個人ではなく企業に帰属すること
があると指摘する。しかしながら、日本の教育システムと労働市場の関係の大転換は現実的
でない。ゆえに、これまで日本企業が有する人材育成の苗床機能を維持しつつも、変容する
社会経済に適応していくために、生涯学習(リカレント教育)で個人が獲得した知識やスキ
ルが個人に帰属し、自らのキャリア形成に寄与する仕組みを構築すべく、政労使が連携しVET
への協調的関与を強めていくことが重要であると指摘している。

3 本書の貢献と期待
 冒頭節で述べたとおり、「キャリア自律」や生涯学習が求められていることは、多くの企
業等が納得しているところだろう。しかし、それを声高に叫んだところで、キャリアの自律
性が高い人材が創出されるわけではなく、生涯学習が円滑に履行されていくわけでもない。
ある国でそれらが適切にワークしている背景には、国、労働市場(企業)、教育機関、さら
には労働組合の関係がある。その構造を踏まえて日本における取組方を議論する必要がある。
 本書はその構造を丁寧に整理し日本の特徴を明らかにした点に大きな貢献がある。近年、
国、労働市場、教育機関などのそれぞれの役割を「レジーム」としてとらえ、日本の特性を
明らかにする研究が増えてきた。こうした研究が蓄積されていくことで、社会経済の変革に
適応した「打ち手」を見出すことができるのではないか。   
                             (編集委員 松原光代)
 
※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
 日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。

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4 キャリアイベント情報等

◆法政大学キャリアデザイン学会 研究会

テーマ 「テキストマイニング手法を用いたアプローチ
     ~企業内キャリアコンサルティングの分析を例として」
日 時 2023年2月24日(金)18:30~20:00
形 式 Zoomによるオンライン配信
講 師 浅野浩美(事業創造大学院大学 教授、当学会専務理事)
詳 細 企業内キャリアコンサルティングに関する分析結果の紹介と、
    分析に用いたテキストマイニング手法についての解説を予定しています。
参加費 無料
申 込  https://cdgakkai.ws.hosei.ac.jp/wp/group/
詳 細  https://cdgakkai.ws.hosei.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/12/2022-12.pdf

◆過労死等防止調査研究センター 研究成果発表シンポジウム
 
主 催 労働安全衛生総合研究所
日 時 2023年3月8日( )
方 式 オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費 無料(要予約)
定 員 1,000名
詳 細 https://jniosh.page.link/records_sympo_22_academicml

◆労働政策研究・研修機構JILPTコロナプロジェクト セミナー

テーマ コロナ期日本の働き方、家計のレジリエンス格差
日 時 2023年3月17日(金)14:30~16:50
方 式 オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費 無料(要予約)
定 員 1,000名
申込期限 3月16日(木)15時まで
共 催 慶應義塾大学経済学部附属経済研究所パネルデータ設計・解析センター
    https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/event/sm230317/index.html?mm=1844

◆労働講座「職場のメンタルヘルス対策」

主 催 神奈川県かながわ労働センター県央支所
日 時 2023年3月1日、15日
方 式 オンライン開催
参加費 参加無料。定員30名(事前申込制、先着順)。
詳 細 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w4v/cnt/f7599/#tokutei_yamato

◆「働く女性のメンタルヘルス講演会」

主 催 東京ウィメンズプラザ
日 時 2023年3月4日(土)
方 式 オンライン開催
参加費 無料(要予約)申込締切は2月28日。
詳 細 https://req.qubo.jp/mental/form/VZdvbUsD

◆「メンタルヘルス対策セミナー」

主 催 東京都社会保険労務士会
日 時 3月7日(火)
参加費 無料
詳 細 https://www.tokyosr.jp/topics/2022-topics/51304/

◆セミナー「健康づくり・メンタルヘルスケア
      ~こうすれば上手くいくハラスメント対策~」

主 催 中央労働災害防止協会
日 時 2月27日~3月24日
方 式 オンライン開催
参加費 無料
詳 細 https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3980_anti_harassment.html

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【編集後記】
 1月の施政方針演説で岸田首相は、構造的な賃上げを実現するためにリスキリング
による能力向上支援、日本型職務給の確立、成長分野への円滑な労働移動、という
三位一体の労働市場改革を打ち出したとされる。また、日本型職務給の確立について
は、6月までに具体策を示すとしている。成長産業などへの積極的な労働移動を促し、
リスキリングで生産性を上げて賃金引き上げを促すという意図は理解するが、企業に
おける労働条件はあくまでも労使の自主的な裁量で決定されるべきだ。最近は、もっ
ぱら行政主導の賃金引き上げへの働きかけが目立っている。今年は数十年ぶりの物価
高の下、大幅な賃金引き上げを表明する企業も多い。労働側の関与も含め、各社の環
境に合わせた主体的な労働条件決定に期待したい。(s)
 

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.career-design.org/

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
 
このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
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 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
無断転用はお断りいたします。
 このメールマガジンの文責はすべて執筆者にあり、日本キャリアデザイン学
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【日本キャリアデザイン学会広報委員会】

 石川 了 労務行政研究所(株式会社労務行政)
 内田勝久 富士電機株式会社
 荻野勝彦 トヨタ自動車株式会社
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 小室銘子 株式会社パーソル総合研究所
 高橋基樹 日本無線株式会社
 平野恵子 株式会社文化放送キャリアパートナーズ
 堀内泰利 慶應義塾大学
 松岡 猛 NECライフキャリア株式会社
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 山野晴雄 元・桜華女学院(現・日本体育大学桜華)高等学校

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail info@career-design.org
   〒181-0012 東京都三鷹市上連雀1-12-17
   三鷹ビジネスパーク2号館 ぶんしん出版内

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