日本の障害者雇用は、法制度や助成金制度の整備、拡充によって確実に広がりを見せてきました。しかし、障害のある人一人ひとりが自分の大切にしていること、得意なこと、興味のあることを大事にしながら働ける環境の実現は容易ではありません。だからこそ、雇用主である企業と障害のある人、両者の対話を進めることはもちろん、「ともに働く」現場で起こる様々な課題を広く社会に発信し、対話から課題解決のきっかけを創出する“つなぎ役”として、社会福祉士のような福祉の専門家の存在が大切になってくると思います。
そこで、第4 回のキャリアデザインライブは、障害の有無に関わらず、誰もが自分らしく働ける社会を実実現するべく、社会福祉士として、新聞記者としてキャリアを重ね、障害者雇用の“今”を社会に発信する毎日新聞社の山田奈緒さんをお招きします。山田さんからは、ご自身のキャリアや取材活動、障害のある家族と暮らす経験から感じている、障害者雇用の“今”と“これから”についてお話しして頂きます。 障害者雇用/就労支援に携わっている方はもちろん、企業人事にて障害者雇用を担当されている方、「ともに働く」世界観の実現に向けて奮闘されている方、社会福祉士としてご活躍されている方などなど、少しでも興味を持って下さった方々と共にお話しが出来る時間にしていきたいと思っています。
是非ご参加ください。
2022年 4月20日(水)19:00~20:30(オンライン入場開始:18:45~)
Zoomによるオンライン配信
※申し込みいただいた方にzoom IDをご連絡いたします。
毎日新聞デジタル報道センター記者
2005年入社。京都支局、阪神支局を経て2010年から2020年まで東京社会部。特別報道部を経て現職。これまで、東京地検特捜部や更生保護などの検察・法務取材、平成から令和の代替わり期の皇室取材などを担当した。平和取材(戦後70年報道)も担当し、戦争体験を記録に残すTBSテレビとのキャンペーン企画「千の証言」を実施。このほか、障害者雇用やヤングケアラーなど福祉分野を継続的に取材している。
株式会社Connecting Point、当学会研究会企画委員会委員
100名
会員/無料、非会員/2,000円(事前申込制)
「ともに働き、ともに学ぶー社会福祉士の視点から障害者雇用の“今”と“これから”を語る」というテーマで、第4回キャリアデザインライブ!が4月20日(水)に実施されました。約60人のご参加者と一緒に障害者雇用について真剣に考えるきっかけとなるライブでした。
まず当学会研究会企画委員会委員の阿部潤子から社会福祉士とは、社会に散らばる「これっておかしいよね?」に正面から立ち向かい、変化を起こそうと行動する人たちという紹介からスタート。社会福祉士でもある毎日新聞社の山田奈緒さんから、障害者雇用率の売買をビジネスにしている「雇用率ビジネス」に対して、「これっておかしいよね?」という課題提起がされた。
会社とは関係ない農園で働いている人を雇用することによって障害者雇用率を賄うという「雇用率ビジネス」は、①農園を運営する側、②雇用率を満たしたい企業側、③最低賃金をもらえる障害者側の3者の思惑が絡んでいる。売り物として農業に取り組んでいるわけでもないこの形態を障害者雇用といえるのか、本業として取り組むことは本当にできないのか、障害者と一緒に働くことを拒否した結果なのではないか、といった疑問がある一方で、障害者の保護者からは、手取り約10万円がもらえ、環境も厳しくないので歓迎されているそうだ。今回の参加者の中には障害者雇用に真正面から関わっている人も多く、やっぱりおかしい、何とかできないかという熱い思いが会場を包んでいた。
障害者雇用を社会貢献ではなくて経営戦略と捉え、一人一人が出来ることがあり、一人一人のキャリアが花開くと考えられる真のインクルージョンに向けて、終了予定時間が過ぎても意見交換は続いた。