趣旨
「君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひぬるかな(藤原義孝)」「筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる(陽成院)」といった百人一首,百首中43首は「恋の歌」です。また,与謝野晶子の「みだれ髪」,夏目漱石の「三四郎」,島崎藤村の「初恋」,村上春樹の「ノルウェイの森」など恋愛を描いた小説に心動かされた人もいるでしょう。
キューピッドが放つ矢でハートを射ぬかれた男女は互いを深く愛し合うようになるとされるお話しは誰もが知るものでありますが,このキューピッドは,もともとギリシア神話において恋愛を司る神であるエロス(eros)に由来します。美と愛の女神アフロディテの息子であるエロスは,古代ギリシアにおいては,翼を持った力強い男性,または若々しく美しい青年のイメージで捉えられていましたが,ローマ神話における恋愛の神であるクピド(Cupido)と結びつき,弓矢を持った翼のある幼児のイメージで捉えられるようになりました。このように恋愛は日本においても,古代ギリシャ・ローマにおいても様々に表現されてきました。
近年では2015 – 2017年の3年間に紅白歌合戦で歌われた122曲を調べてみると,48曲(39.3%)が恋愛をテーマとするものであり,人生やキャリアと関連している歌詞も少なくありません。「人生を変えた恋」「人生を変えた出会い」といったフレーズを耳にすることもあるでしょう。恋愛は我々の人生,キャリアと密接な関係があるのではないでしょうか。
今回の研究会は,「恋愛」研究の第一人者である和光大学 現代人間学部 心理教育学科 教授 高坂 康雅 先生をお招きし,青年期の恋愛に着目しながら恋愛とキャリアデザインについて,皆様とともにライブします。
2019年12月20日(金) 19:00~20:30 ※受付18:30~
高坂 康雅 氏(和光大学 教授)
筑波大学大学院人間総合科学研究科で,「青年期における劣等感の分析」というテーマで博士号(心理学)を取得され,心理学,教育心理学,青年心理学を主な研究分野とする研究者です。“教育的青年心理学”がご自分の立ち位置であると自称され,青年期における劣等感,青年期の恋愛,青年期の友人関係などを中心に研究を進められています。いずれのテーマも,研究のための研究ではなく,常に“青年のための研究”であることを望まれ,得られた研究の成果をどのように青年に還元できるかを考えながら,研究とともに地域貢献活動等にも取り組んでおられます。 主な著作として『ノードとしての青年期』(ナカニシヤ出版,2018),『レクチャー青年心理学 : 学んでほしい・教えてほしい青年心理学の15のテーマ』(高坂康雅, 池田幸恭, 三好昭子編著 風間書房,2017),『思春期における不登校支援の理論と実践: 適応支援室「いぐお~る」の挑戦』(ナカニシヤ出版,2016),『劣等感の青年心理学的研究』(風間書房,2012))などがあります。「恋愛」に関わる主な著作・論文としては『恋愛心理学特論: 恋愛する青年/しない青年の読み解き方』(福村出版,2016),『恋愛関係が大学生に及ぼす影響と,交際期間,関係認知との関連』(パーソナリティ研究,17,144 – 156.2009),『青年期における恋愛様相モデルの構築』(和光大学現代人間学部紀要,4, 79-89, 2011),『恋人を欲しいと思わない青年”の心理的特徴の検討』(青年心理学研究,23(2), 147-158, 2011)などがあり,日本における恋愛研究の活性化を目指し,従来の調査・理論を踏まえながら「恋人が欲しくない青年」などのトピックを青年心理学の立場から解明しています。
会員/無料、一般/2,000円(事前申込み制)
先着40名
法政大学市ヶ谷キャンパス 大内山校舎3階 キャリア情報ルーム
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〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
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