HSPという言葉をご存知でしょうか。
HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、生まれつき敏感で、周りからの刺激を過度に受けやすい人のことを指します。1996年にアメリカのエレイン・アーロン博士が提唱した概念で、おおよそ5人に1人はHSPだといわれています。
敏感さゆえに時に生きづらさを感じる、そんな人たちを今回の登壇者である皆川さんは支援し続けてきました。HSPは疾患名がつくような病気でも障害でもなく、もって生まれたその人の特性です。人よりも様々なことに気づきやすい、音やざわめきや人混みに疲れてしまう、共感性・感受性が飛び切り強い、そんな特性は時に職場や学校の中で、他者には理解できない苦労や辛さを感じさせることもあります。少数派であるがゆえの辛さです。しかし、そんなHSPの特性は、時に強みにも長所にもなり得ます。自分の特性を理解して、誰もが自分らしく働くこと、誰もが自分らしく生きることができるはずです。その人らしいキャリアを送ることができるはずです。そのためにも社会全体に正しい知識が拡がることは大切です。
これまで5924名ものHSPと出合い、支援をしてきた皆川さんからHSPに関する正しい知識を得るとともに、皆川さんが出会った様々なHSPの人たちのリアルなお話を聞かせていただき、そんな人たちと接してきた皆川さんご自身の思いを伺った上で、私たちに何ができるのかを考える時間にしたいと思います。
2023年4月7日(金)19:00~20:30(オンライン入場開始:18:50~)
Zoomによるオンライン配信
※申し込みいただいた方にzoom IDをご連絡いたします。
皆川公美子(みながわ・くみこ)
株式会社サステナミー代表。国家資格キャリアコンサルタント、ギャラップ認定ストレングスコーチ、TRE国際認定プロバイダー。東京藝術大学卒業後、株式会社ソニー・ミュージック・エンタテイメントにてCD制作ディレクター。社長奨励賞受賞。自律神経や発達性トラウマの専門知識(心理・神経学)と強みの理論の知見を使いながらHSP/HSCの才能を社会に綱繋ぐ活動をしている。関わったHSPは5924名。HSP講座実績300回以上。今年3月に著書「HSP強みdeワーキング」を発刊。
田中潤(株式会社Jストリーム、当学会副会長・研究会企画委員長)
80名
会員/無料、非会員/2,000円(事前申込制)
4月7日(金)に第2回キャリアデザインライブ!が、オンラインで開催されました。今回は「感受性が強く、敏感な人たち。HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)について考える」というテーマで、これまで多くのHSPの方々を支援してきた皆川公美子氏(株式会社サステナミー代表)をゲストにお招きして、お話しを伺いしました。
最初に、企画趣旨や皆川氏のご経歴を、ご本人と企画者の田中 潤氏(株式会社Jストリーム、当学会副会長・研究会企画委員長)との対話形式で紹介。その雰囲気のまま、穏やかかつ朗らかなトーンで語りかけるように、HSPについてお話をしていただきました。
思ったよりも多くの方がHSPであること(5人にひとりがHSP)。気付きすぎたり、敏感すぎたりして、生きづらさを感じる方が多いこと。1996年にアメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士(※1)によって提出された比較的新しい心理学概念であること。心理学概念なので、医学的概念である自閉スペクトラム症ASDやADHDとは異なり、生まれつきの特性であること……。話を聞きながら、どんどんメモすることが増えていきます。印象に残っているのは、『HSP 強みde ワーキング』(梨の木舎)(※2)という著書のタイトルにもあるように「自身の特性として、いかに仕事や生活に活かしていくのか」という考え方です。そのためにも、心理的安全性は必要であり、互いを理解しようとする態度も大切(※3)なのだと、共感しました。
質疑応答では、当事者の立場、支援者の立場、人事の立場、家族の立場など、さまざまな視点から多くの話題が提供され、それら全てに寄り添いつつ、的確な回答や情報提供をいただきました。ライブ!終了後、真っ先に「アーロン博士のチェックリスト(画像にQRコードあり)」にアクセスして、自身の特性を振り返ってみる……というところまで含めて、とても学びの多い時間を過ごすことができました。