2025年度 第2回キャリアデザインライブ!ご報告

テーマ
個人支援の限界を突破する!コミュニティアプローチによる「環境へのはたらきかけ」
開催日
2025年10月19日(日)
【 詳細 】

「カウンセリングをしても、なかなかクライエントの悩みが解決しない」 「個人への支援だけでなく、組織全体に働きかけるにはどうすればいい?」キャリア支援の現場で、このような壁にぶつかったことはありませんか? 本ワークショップでは、個人へのアプローチだけでは解決しにくい問題を、「人」と「環境」の相互作用という視点からから捉え直します。そのうえで問題解決のヒントを探る「コミュニティアプローチ」の基本的な考え方と手法を学びます 。キャリアコンサルタントをはじめとした対人支援職の皆様、実践に役立つ「環境へのはたらきかけ」を考えてみませんか?

・イントロダクション
・個人支援の限界
・コミュニティアプローチとは
・コミュニティアプローチの介入方略
・クライエントを取り巻く状況を見立てる
・コミュニティへの介入を考える
・ワークとグループ発表
・質疑応答・まとめ

2025年度 第2回キャリアデザインライブ!
開催日時

2025年10月19日(日)13:00~16:30

開催場所

新橋駅直結エジソン会議室(新橋駅徒歩2分)
東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館605号室『エジソン会議室』
>地図はこちら

参加定員

16名

登壇者


【高橋 浩】
ユースキャリア研究所 代表
博士(心理学)・ キャリアコンサルタント ・ 公認心理師
日本キャリア開発協会 理事, 日本キャリア・カウンセリング学会 副会長
法政大学大学院/目白大学大学院/立正大学 講師
T社・D社、墨田区就職・仕事カウンセリングルームのスーパーバイザー
1987年、NECグループの半導体設計会社に入社。半導体設計、経営企画、企業内キャリアカウンセリングに従事。2011年3月退職。  2012年3月博士号取得、5月ユースキャリア研究所を設立。現在は、大学講師、行政や大手企業でのキャリアカウンセラー、キャリア開発研修講師などを務め、また、キャリアに関する調査・研究活動も行っている。 2016年~2025年(2022年を除く)、厚生労働省委託事業にてセルフ・キャリアドックに関する委員や導入支援アドバイザを務めている。
<主な著書>
『実践 コミュニティアプローチ: 対人支援職が行うシステム論的心理社会支援』(編著・金子書房)
『セルフ・キャリアドック入門』(共著・金子書房)
『改訂版 社会人のための産業・組織心理学』(共著・産業能率大学出版部)

聞き手

【射水 和香子】
株式会社パーソル総合研究所トレーニングパフォーマンスコンサルタント/当学会研究
会企画委員会委員

参加費

会員/無料、非会員/3,000円
※いずれも事前の申し込みが必要です。
※学会員の方は、会員サイトにログインの上お申込みください。
(ログイン前の申込みの場合は無料が適応されませんのでご注意ください)
※定員に達し次第申込は締め切らせていただきます
※申込期限:10月16日(木)17:00 までにお支払いが確認できない場合はキャンセルとさせていただきます。

開催報告

本年度2回目となるキャリアデザインライブ!は、「個人支援の限界を突破する!コミュニティアプローチによる『環境へのはたらきかけ』」と題し、ユースキャリア研究所代表高橋浩氏にご登壇いただきました。
まず最初に、3人ずつ2組にわかれ、とある企業におけるケース検討からの始まりです。
中間管理職としてストレスを抱える相談者の課長に対し、カウンセラーとしてどのようにかかわればよいか、各自で考え、グループ内で共有しました。
「今の相談者が抱える業務を洗い出し現状把握する」、「相談者の上司から支援を得られるよう助言する」など活発に意見を出し合いました。そこからいよいよ、理論の学びへと入ります。

「コミュニティアプローチ」とは、人と環境の適合を目指し、両者及びその関係に介入することにより、人々のWell-being向上を図る活動をいいます。先述の事例においては、相談者のみならずその周囲の環境も含めて支援をすることであり、言いかえると、個人のみに対する支援の限界を自覚するということにもなります。
「コミュニティアプローチ」は、伝統的な心理臨床をベースとしながらも、支援そのものを幅広く捉え、あらゆる人を巻き込むという考え方です。実は個人はいかなる場面でもコミュニティに属しています。よって、他者(環境)との相互作用による動的な存在であるということを念頭に働きかけることが重要であるということを学びました。
また、今回の講義で最も印象に残ったのが、コミュニティアプローチとはできることは何でもやる「欲張りアプローチ」であるということです。相談者の多様なニーズに対応するため、ありとあらゆる手段を活用する姿勢で臨むことの大切さもわかりました。
後半は、支援のために重要となる情報収集や見立て、介入策等をワークを通じて理解を深めました。今回は、環境(組織)と人(相談者)に対して、直接的か間接的かいずれの観点から介入をするかという「4側面介入」で検討を進め、最後に2グループで発表しました。
グループワークにおいては、相談者を取り巻くコミュニティは、企業、家庭、地域など複数存在し、誰に何を働きかけるかが支援者によって異なる点に、自身の思考のクセがあるということに気づきました。
「コミュニティアプローチ」が、むしろ体系だっていないからこそ、支援者の腕によるところが大きく、自己研鑽やネットワーク構築などを継続することが大切と思いました。
久しぶりの対面開催となり、会場全員での対話も尽きず充実したキャリアデザインライブ!でした。
次回もどうぞご期待ください!

運営

研究会企画委員会