生きていく上で、キャリアを積む上で、学びを深める上で、“問い”の重要性は言うまでもありません。何を問うかは、その人の自由であり、好奇心の現れです。好奇心の強さを示し、どこまで理解しているのかを表します。“問い”はその人そのものを知ることにも繋がります。しかし、“問い”は、その自由さゆえに「正解」を設定できず、 問い の良し悪しを判断する、すなわち評価の基準を明確にすること“”が難しくなります。
池田文人先生は、問いの評価と創造について研究され、創造的な問いの体系的な立て方である KCKI(Knowledge Creation by Knowledge Inheritance)モデルを提唱されています※。また、大阪公立大学では、問う力(Question Intelligence: QI)を測定する試験を開発し、大学入試に導入するプロジェクトを推進されています。今回の研究会では、KCKI モデルの概要と、問いの根底となる「疑問」の観点について解説して頂きます。「疑問」から「質問」へ、そして(創造的な)「問い」へと発展させるプロセスを、参加者同士で学び合う演習形式で体験して頂きます。ぜひご参集ください。
※著書:池田文人(2022)「問いが鼓動するまで。探究は偶然に は始まらない …! 創造的問いを育む3×3 プログラム」溪水社
2024 年12月22 日(日)14:00~17:00(受付13:30~)
池田文人先生(大阪公立大学 教授 学長補佐)
対面:50名、オンライン:50名(事前申込制)
※オンライン参加の方は、お申込み頂いたメールアドレス宛に、Zoomアドレスをお知らせいたします。(1週間前に送信予定)
※前日までに届かない場合は下記お問合せまでご連絡をお願いいたします。
追手門学院大学総持寺キャンパス A361教室(3階)
>アクセスはこちら
会員/無料、非会員/無料
2024年12月8日(日) *先着順(定員になり次第、締め切らせて頂きます)
関西支部役員 本庄麻美子(和歌山大学)
関西支部第29回研究会が、12月22日(日)追手門学院大学総持寺キャンパスにて開催されました。池田文人先生(大阪公立大学教授/学長補佐)をお招きし「『問い』を科学する ~創造的な問いの体系的な立て方を学ぶ~」をテーマにご講演、ワークショップを実施いただきました。本来4日間かけて行う内容を2時間半のダイジェスト版で行っていただきました。対面20名、オンライン34名が出席し、熱い議論が交わされました。第1部は「科学的な問いを創造するモデル」と題してレクチャーがありました。3つの論理推論(帰納・演繹・仮説)の紹介があり、アブダクション・モデル(仮説→演繹→帰納)とKCKIモデル(帰納→演繹→仮説)を具体的に学びました。
第2部はワークショップ形式で「帰納推論とリフレクション」を検討しました。「社会貢献する仕事に共通する特徴」をテーマに「背景」、「現状」、「方法」、「ゴール」の項目ごとに付箋に書き込み、3~4名のチームになり、それぞれの枠で整理をしていきました。その複数の事象から、それらの共通性に基づき一般化した規則をみつけ、意見を出し合いました(帰納推論)。そこで気付いた規則を「前提」と「結果」に分け(1)同じ結果となる前提の可能性、(2)同じ前提から異なる結果となる可能性、(3)事象間の差異を無視する妥当性、をそれぞれ問い直していきました。
最後に、三川俊樹先生(追手門学院大学)より、「カウンセラーの問い」を事例としてあげ、総括がありました。「カウンセラーは、相談者の問題や問題解決ばかりに目を向けすぎてしまう傾向にあり、その中で、背景やプロセスが聴けていないことがあるのではないか。異なる視点での問い直しやリフレクションを通じて、自らの推論を疑ってみること、枠組みを問い直してみることがいかに重要かを、この研究会を通じて改めて実感した」とコメントされました。
短時間ではありましたが、積極的に議論いただいた参加者の皆様、ありがとうございました。
関西支部 japancareerdesignkansai@gmail.com
村田州央(株式会社アソウ・ヒューマニーセンター 他)
田上正範(追手門学院大学)