学会20周年記念!2023年度 第6回キャリアデザインライブ !ご報告

テーマ
「働くこと」の未来と「ウェル・ビーイング」
:ブルスティン博士との10年
開催日
2024年5月17日(金)
【 詳細 】

普通で、当たり前のことが、私たちが生きて行く上で、とても大切なものであることに気づかされることがあります。特に、日常が壊された時に顕著に気づかされます。直近での能登半島沖地震だけでなく、世界各地での紛争やコロナ・パンデミックで仕事が出来なかった時も、「働くこと」が私たちにとってどれだけ大切なのかを気づかされました。
第6回キャリアデザインライブでは、不確実性の高まる時代の日々の「働くこと」を探求し、「ワーキング心理学」を提唱したブルスティン博士に着目して、その取り組みの一端に迫ります。
ここ10年余ブルスティン博士の著作を日本に紹介し続けている組織能力研究所の作田稔氏から、ブルスティン博士の提言が今、私たちの「働くこと」への見方にどのように影響を与えるか、その文脈と深い思いを語っていただきます。

2023~2024年期 第6回キャリアデザインライブ!
開催日時

2024 年5 月17 日(金)19:00~20:30
(オンライン入場開始:18:45〜)

開催方法

オンラインにて実施:Zoom による配信
※申し込みいただいた方にzoom ID をご連絡いたします。

定員

オンライン100 名(先着)

参加費

会員/無料、非会員/無料 いずれも事前の申し込みが必要です。
今回は日本キャリアデザイン学会20 周年記念企画の一環として、当学会をよくご理解いただくためのオープン企画として開催します。非会員の方についても、会員の方からのご紹介があれば無料で参加できます。

登壇者

作田 稔(さくだ・みのる)
組織能力研究所代表。
精密情報機器企業にて、TQM や戦略的方針管理を中心に、10 年以上にわたり組織・経営の質的革新に従事。2002年からは「人づくり、ものづくり質革新機構」にて質革新システム診断に携わり、日科技連クオリティマネジメント誌企画委員、東京都地域産業振興協会専務理事等を歴任。
2009年に東京工業大学イノベーション・マネジメント研究科で「イノベーションと組織能力」に関する博士号を取得後、同志社大学、北里大学、駿河台大学、立正大学、職業能力大学等で非常勤講師、ライフデザインカウンセリング研究所客員教授。ライフワークとして、ウェル・ビーイングの実現に向けたキャリア開発、シニアライフ・デザインおよびワーキング心理学の普及実践に取組む。主な著書には「人間の仕事-意味と尊厳」(共監修, 2023 年)、「現場で使えるキャリア理論とモデル」(共著, 2021 年)、「キャリアを超えて ワーキング心理学」(共著, 2018 年)、「サビカスキャリアカウンセリング理論」(共著, 2015 年)等がある。1級キャリア・コンサルティング技能士。NCDA(National Career Development Association)会員。当学会会員。

進行

稲垣久美子(いながき・くみこ)
東京成徳大学、当学会研究会企画委員会委員

開催報告

第6回キャリアデザイン・ライブ!が、5月17日(金)19:00~20:30にオンラインにて開催されました。テーマは、「働くことの未来とウェル・ビーイング:ブルスティン博士との10年間」、組織能力研究所代表の作田稔氏にご講演いただき、当学会研究企画委員稲垣久美子氏(東京成徳大学)のファシリテーションのもと、参加者と意見交換をしました。
作田氏は、企業で労働組合や技術者向けの人事・育成を経験し、「人がどう関わりながら組織がよくなっていくのか」という関心をいだくようになるなかで、アメリカの”National Career Development Association(ACDA)”に参加する機会を得、そこでブルスティン博士と出会います。ブルスティン博士との対話を通じ、同氏が提唱するワーキング心理学を日本にも紹介したい思いから、渡辺三枝子先生他の協力を得て、翻訳・出版プロジェクトを立ち上げ、「ワーキング心理学」(白桃書房)、「現場で使えるキャリア理論」(金子書房)、「人間の仕事」(白桃書房)を出版されました。
ワーキング心理学とは、「キャリア選択・開発への批判的議論から、すべての働く人と働きたい人々を対象とし、人間の仕事全般に焦点を当て、社会構成主義の立場を含め、「働くこと」の様々な様態、仕事、社会的アイデンティティ、メンタルヘルス、ウェル・ビーイングを、社会経済力の重要性を理解し探索するもの」と定義されています。昨今のアメリカ社会が抱える矛盾やコロナ禍を経験するなかで、インタビュー調査から浮かび上がってきたアメリカ社会におけるキャリア形成課題、特に、社会的な立場や経済的な状況、病気などを背景に働く機会が得にくい方たちにも焦点をあて、社会制度を問い直す姿勢、働くことの意味と尊厳を問い続けることの重要さに気づかされました。
6月には、ブルスティン博士を日本に招いて、シンポジウムも開催されます。ご興味のある方は、さらに学びを深める機会となるのではないでしょうか。
https://world-meeting.co.jp/blustein2024/sympo_tokyo_a.html

企画・運営

研究会企画委員会

日本キャリアデザイン学会は、今年20 周年を迎えます。20 周年記念企画の1つとして、ご好評をいただいているキャリアデザインライブを 2023 年12 月から2024 年9月まで10 カ月連続開催させていただく予定です。また、学会を多くの方に幅広く理解いただくために、キャリアデザインライブの大半を学会員以外の皆様にも公開いたします。この機会に是非、日本キャリアデザイン学会にご参加ください。